書籍ご案内

お知らせ

中国民族音楽史上「盲目の阿炳」として知られている阿炳(アーピン)を主人公にした小説のご案内です。

私が大阪の中国音楽アンサンブル「天翔楽団」在籍中に団長を務めていた中田勝美氏の第2作目の小説。

「阿炳が奔る(アーピンがはしる)―無錫争乱異聞―」で、四六版単行本、369頁、定価1,600円(税込み)。本書はアマゾンで入手できます。今すぐ検索!!

 

「ご存じのように阿炳(アーピン・1893年~1950年)は中国・長江下流、無錫の道教道観の息子として生まれました。30歳代半ばで失明しましたが、その卓越した笛、笙、嗩納(スオナー)、打楽器、二胡、琵琶などの楽器演奏能力は広く民衆に知られ、歴史の中に名を残しています。失明後は貧困生活を送りながらも、街頭での演奏と庶民を圧迫する権力への批判を唱った時事批評語りを続けていました。

本書ではそんな阿炳を主人公として、1930年前後に彼が遭遇する事柄を通じて、無錫と上海に生きる庶民の生活と共に、共産党と国民政府との争闘、青帮マフィアの暗闘など、当時の中国社会で起きる事件と人々の行動を描写します。阿炳と歴史的人物以外の登場人物は全て私の創造ですが、彼らが活動する歴史的背景や社会問題などはできる限り正確を期すよう努めました。日本人が作り出した新たな阿炳像、という目標が達成できていればいいのですが。」(中田勝美氏の声)